いま、郵趣界ではzoomが花盛り。
というか、トレンディなブームと言っても過言ではないでしょう。
ブームであるからこそ、逆に言うと???的な部分も多く見られます。
その原因は、「zoomとはなにか」「zoomとはどのようなツールなのか」という基本を理解しないままに「時代はzoomだ!」「zoom号に乗り遅れるな!」という、文字通りブームに乗っかっているだけであることが、多いのではないでしょうか。
ツールとしてのzoomを理解しないままの展開は、時として悲劇を生むだけで終わってしまう可能性もあるでしょう。
僕が、いま直接的に関与している郵趣活動でのzoomは二つあります。
一つは、コアな外国切手収集家の集りである「亀戸大根の会」。
定例会を開いており、郵趣界裏話を含んだ雑談から研究発表まで、多岐にわたる内容で毎回2時間から2時間半を過ごしています。
会員の多くは地方に散らばっており、各自の自宅から個々人が用意した資料をzoomの画面共有機能を最大限に活用して行っています。
zoomの最も素晴らしい点はこの画面共有機能で、高解像度画像を用意しておけば、凹版の刻線一本一本が見える大きさにまで拡大できるので、普通ならば高倍率ルーペが必要な話でも、目の前のディスプレイを見ているだけで、話を聞きながら手に取るように理解できること。
もう一つはJPSのある研究会。
こちらも、「亀戸大根の会」と同じく僕の個人アカウントを使い、僕が主催者として開催しています。
そのため、JPSのzoomアカウントがアカウントの使い回し問題で使用禁止に陥っていた時も、問題なく行うことができていました。
この研究会でzoom例会を開催するに際しての約束事として、
目白での参加者には「各自がパソコン、スマホ、タブレットのいずれかを持ち込み対応すること」。
zoom参加者には「大きなコレクションの回覧などによっては、目白参加者と100パーセント同じことはできないことの了解」。
の二つを上げておきました。
今回、僕が問題提起するのは目白での参加者。
パソコンやスマホを持っているにも関わらず、持参しない人達。
zoomはパソコンやタブレットはおろか、スマホ向けにも専用アプリがあります。
パソコンは重たいので仕方がない部分もありますが、じゃあスマホは?
スマホが重たいからといって、家に置きっぱなしという人はいないでしょう。
もし、そのような人が居たとしたら「なんのためのスマホ?」と聞いてみたい。
なんらかの事情で対応できない人がいるのも理解はできますし、パソコンなら2人に1台までは対応できます。
並んで座って中央にパソコンを置けば、カメラの画角の中に2人までは入れますし、事前にデータを送ってもらえれば共有機能にも予め準備可能です。
ところが、6人でパソコン2台では話にならないのです。
最初に交わした「個人個人で、スマホ等で対応してください」という約束は、いったいどうした??
JPS事務局には、集音マイクやプロジェクターなどが用意されてはいますが、zoomは個人の手元の端末で、個人が操作、参加することにより初めてその能力が発揮できるツールなのです。
今のままで行くと、zoom参加者に寄り添った使い方をすると、個人で端末を用意しない目白の参加者は話しに取り残されて行きますし、逆に目白でのリアル例会参加者を中心に進めると、zoom参加者は例会の実況中継を見ているだけで、ほとんど理解できない状況になってしまうと思います。
zoomというのは双方向性のものなので、一方通行にはすこぶる弱いのです。
そもそも、パソコンとはパーソナルコンピューター。
パーソナルですから、個人ユースのものですし、単なる文房具の一つにすぎません。
今どき、ノートや鉛筆を何人もで使い回す人なんていないでしょう。
zoomはパソコンで使うツールなので、そもそもの設計思想が個人ベース。
これも単なる文房具と同じ。
『郵趣』誌や研究会委員会などで「zoom」「zoom」と叫ぶので、zoomを理解していない人達までもが、「地方でも例会に同じように参加できる」と、魔法のツールを手に入れたかのように大きな勘違い。
中央と地方の垣根を低くしたり、遠く離れた人達がリアルで例会に参加できるのは間違いありませんが、それには個人レベルでのzoomに沿った使い方が必要なのです。
「こうしたい」という目的があり、それを実現するための手段としてのzoomであるはずが、zoomを使うことが目的のようになってしまっているのが現状ではないでしょうか。
で、最後にzoom利用の自己採点ですが、亀戸大根の会は90点。JPSのある研究会は20点。
ちなみに僕の高校時代は59点以下が赤点で単位未認定でしたから、20点ではぶっちぎりの赤点で親子面接の呼び出しになります。
今日は切手の話が無かったので、最後に下の画像を1枚。
西ドイツが1984年に発行した「第10回国際公文書保存会議記念」切手。
各国からポツポツとパソコン図案の切手が発行されるようになったのは、この頃からだったと思います。
ZOOM導入でいろいろお世話していただいていますのに、勉強不足で申し訳ありません。
パソコンは手入れが必要な道具だと感じています。しばらく立ち上げていなかったからか、いう事をきかなくなりました。今度はリーフをPDFファイルにして例会に参加するようにします。他の参加者にもできるだけZOOMアプリをいれて参加してもらうようにします。ZOOM導入例会は6回行われているのにすみません。