月に2回ほど、あるメディアに食に関するコラムを提供しています。
そこで、今月上旬号には鮎に関する記事を寄稿しました。
鮎と言えば、自分的には7月の魚なので・・・。
その鮎、最近は早くて5月の連休前後から出回りはじめるのですが、やっぱり暑さが本格的になった7月が食べても、美味しい季節。
酢橘を添えた塩焼きなんて、夏の盛りにスッキリ、サッパリと季節感満載です。
これがお盆を過ぎると、とたんに不味くなります。
なので、鮎は7月なのです。
で、すっかり勘違いしていたのですが、魚介シリーズの「鮎」。
7月が発行月かと思っていたら、確認したら6月でした。
6月になると全国の多くの川で解禁になるので、それにあわせたのでしょう。
鮎料理の一つとして、鮎寿司があります。
抜群にポピュラーな塩焼きの次に来るのが、鮎寿司か甘露煮ではないでしょうか。
下の画像は、旧東海道本線(現御殿場線)山北駅で販売されていた「鮎寿し」の掛紙。
山北駅の「鮎寿司」がいつ頃から売られていたのかは不明ですが、正岡子規が
「山北や 鮎の鮓買ふ 汽車の中」
という句を明治29年に残しているので、最古の鮎寿司の駅弁である可能性が高いと思われます。
他にも山北駅の「鮎寿し」は、たびたび文芸作品に登場しているので、今で言うところの有名駅弁だったのでしょう。
北原白秋は民謡集『日本の笛』「山北」の中で
「早やも山北、チラチラ、燈。鮨は鮎鮨、溪の月。(以下略)」
と、詩っています。
それにしてもこの掛紙、清流の鮎釣りを涼しげに表現していますね。
昭和戦前期の作品です。