『正しい切手の集め方』

その昔、ちょっと本格的に収集をしていた子供なら、大抵は読んでいたのがこの本。
左は昭和50年に刊行された初版で、当時、何回も何回も読み返していたので、けっこう汚れ痛んでしまいました。
当時『スタンプクラブ』の裏表紙に、刊行の全面カラー広告が掲載されたのを見て予約購入。

右は昭和60年の第6版ですが、改訂新版となっています。
両者の間には10年の月日が流れていますが、これだけ読まれた郵趣本も珍しいと思います。

両者を比べると基本的な部分に変更はありませんが、郵趣用品や郵趣書、切手展、郵趣会などの記述がその時の状況に合わせて書き改められています。
また、写真図版も多くが新しいものに差し替えられ、見た目に新鮮な感じを受けるようになっています。

著者の魚木五夫氏は、もちろん今もご健在ですが、氏に変わってこのような類書を書くことが出来る人が、現在いらっしゃるでしょうか?
と、本書を見るたびに思うのです。
やさしく書くことの難しさ。
例えば同じ内容で文章が書かれていても、バックグラウンドが大きい人と、付け焼き刃的な人とでは、読んでいると文章の重みや厚さが全く違うのです。

本書と『切手集め大作戦』の2冊をもって入門書の双璧というポジションは、絶対とは言えませんが、今後も変わることはないと思います。
これは、ある意味においては残念なことでしょう。

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