ハンガリー・Handwriting Postname

ハンガリーのプレスタンプのリーフ。
ハンコが無い使用例なので、ただでさえ地味なプレスタンプが更に地味に見えます。
「切手が好き」という方には、つまらなく、退屈な使用例に見えるのではないでしょうか。

この使用例、実はハンガリーのカトリック大司教兼王室参事官を務めた Padanyi Biro Marton という超有名な人宛てのもの。
なので、切手展ではご法度ですが、リーフ右下に肖像画を入れてあります。
こうでもしておかないと忘れてしまうので・・・。

使用は1759年3月ですから、日本では宝暦9年で262年前。
古いですね〜。
なぜ、そんな使用年がわかるのかというと、フラップに日付が書かれていました。
こうしたカバーには、フラップに書かれることが多いので常に確認が必要で、その部分のスキャン画像をカバーの下に縮小して貼ってあります。
カバーを見ると文字がダラダラと、なんだかたくさん書かれていて最初はウンザリしますが、ポイントを絞れば適度に素性を知ることができます。

第1行目には差出し地が書かれ、ここでは ”D. Pentele” と記されています。
宛先は、最後に一番大きく “Sumegh” 。
そして気になるのが、独立して左隅に3行並んだ単語です。
これは経由地を指定したもので、上から “Tolna” “Baranyavar” “Egerszeg” となります。
ここで、ちょっとわからないのが、なぜこの経路を指定したのか?ということ。
当時の郵便線路図を見ると、通常ルートの1.8倍も遠回りになるのです。
不思議なのですが、まだ修業中の身なので不明です。
肝心の宛名ですが、これを読み解くのは苦労しましたが、2行目に “Padanyi Biro Marton” と書かれていました。
それともう一点。宛地の上に書かれた “8” は郵便料金を表しており、重さ1 Loth(17.5グラム)までであったことを示しています。

この使用例は先に記したように1759年のものですが、ちょうどハンガリーでは消印(地名印)がボツボツと使われ始めた時期にあたり、それを説明する一連の流れの中で、使い勝手の良いマテリアルだと思います。

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