イギリスの通常切手で、最も短命だったエドワード8世シリーズ。
それもそのはずで在位期間1936年1月20日〜同年12月11日で、僅か325日間だけだったのですから仕方がありません。
ですから、発行された切手も 1/2d、1d、1 1/2d、2 1/2dのたったの4種。
発行は9月1日でした。
次のシリーズであるジョージ6世通常切手の発行は1937年5月10日だったので、切手の寿命は約8ヶ月と在位期間よりも更に短いわけです。
上の画像は上2段がコントロールナンバー付の未使用で、赤の1dは同じA36ですが、シリンダーナンバーが左は4で右が6ですから別種になります。
3段目の単片は逆透し。ですから透しを優先して貼ると図案は逆さまになってしまいます。見た目に悪いので、僕は図案優先で貼っていますが・・・。
カバーは1 1/2dの1枚貼りですが、これは重さ2オンスまでの国内便書状基本料金。
消印データはロンドン1936年12月21日ですが、この9日前にエドワード8世はイギリスを去っているので、主不在の切手。
実は、このエドワード8世、皇太子時代の大正11年に来日しています。
裕仁親王(後の昭和天皇)が、その前年に訪欧したことに対する返礼としての意味がありました。
下に示すのは、当時の駅弁の掛紙で、通常のものとは異なりイギリス皇太子歓迎特別バージョンです。
全国の主要駅弁業者がこの共通の掛紙を使用しているところがミソで、後にも先にもこれ一回限りのことでした。
それほどまでに、熱狂的な歓迎ムードだったのでしょう。
エドワードは不倫のため弟のジョージに王位を譲った。ジョージは吃音のため王位は好まなかったが、引き受けざるを得なかった。彼は対独参戦の国民向けスピーチをすることになる。その時のBGMがベートーベンの交響曲7番第2楽章、これがすごく沁みた。「英国王のスピーチ」のおぼろげな記憶。
私はこんなことに興味を持つのでいつまでたっても収集は大成しない。