終戦直後の配達証明

画像は、終戦直後の配達証明郵便。
左下には「書留」と「配達証明」のハンコが押され、中央には配達証明を示す赤線が1本。
配達証明は、書留とすることが要件ですから、2つのハンコが押されているわけですね。
消印データは、福井県の武生局で昭和20年8月27日ですから、終戦から12日後のもの。

差出人は武生税務署。
封筒には中身が残っているので、ちょっと見せてもらうと「あらら・・・」って感じの内容でした。
この名宛人は織物業を営んでいて、内容の書出しは「織物消費税法違反事件ニ関シ収税官吏ノ報告ニ依リ・・・」という、なんとも物騒なもの。
読んで行くと昭和17年10月20日頃の脱税に伴う通告書で、罰金630円と書類送達費60銭を払えというものでした。
最後には、「この書類を受け取ってから1週間以内に払わなければ告発する」という趣旨の記述も見られます。

ここで記された書類送達費というのは、本状のことで書留料40銭と配達証明料20銭のことを指すものと思われます。

8月15日に戦争が終り、暗い生活・気持ちから脱したであろうと思うのですが、それも束の間、「罰金を払え」という配達証明受け取った名宛人の胸中はいかに?

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