僕が、南方占領地切手のカタログコレクションに本腰を入れ始めたのは、たぶん1980年代中頃だと思います。
もちろん、それ以前からボツボツと集めてはいましたが、それは気まぐれに入手していたにすぎません。
その頃、南方占領地切手と言えば加刷切手が幅を利かせており、安物の正刷切手に目を向ける人はほとんどいなかったのですが、やはり最初は正刷切手で地ならしが王道ということで、1種1枚のカタログコレクションをスタート。
フィリピン、マライ、ビルマと言えば安価だし簡単そうに思えますが、当時は、これらでさえ在庫を持つ切手商は少なかったものです。
上の画像は、そんな時に作ったリーフで、今のようにリーフに直接印字ができなかったので、透明シールに印刷したのを切り抜いて貼っていました。
下から2段目の「郵便貯金100万ドル突破」のガッターペアは、シンガポールのギボンズで購入したもので、恐らく未裁断シートに由来するものだと思います。
一頃、シンガポールのギボンズにはマテリアル、文献ともに主要な入手先としてお世話になりました。
このカタログコレクションを始めるのに、最初に読んだ文献が『日本の占領切手』。
各切手の細かな解説が掲載されているわけではなく、全体的にサラリと大要を記した初級向けの概説書ですが、最初に読む本としては、そこが良かったのかも知れません。
今でも思うのですが、正刷切手を揃えることを最初の目標としたことは、迷宮のように複雑な南方占領地切手を集める上で正解だったと思います。