西野茂雄氏と谷喬氏の共著『欧文日付印』。
1985年に『外信印ハンドブック』が出るまでは、欧文印の定番文献で、今でも基本文献の一冊であることには変わりは有りません。
僕の手元には下の画像の2冊があって、左が1964年の初版で、右が1980年の改訂第3版。
初版は76ページですが、改訂第3版では99ページに成長しています。
基本的な構成は両者ともに大きく異なるところは無いのですが、データ的な部分は小まめに修正が加えられています。
例えば、横浜の八画形書留印は最初期使用例は同じですが、最後期が初版では1882年8月22日(Fred Rich オークション)となっていますが、改訂版では1884年7月11日(田辺氏蔵)と、2年近くも更新されたデータが記されています。
このような感じで全てのデータが見直され、更新が必要なものについては、最新の成果が反映されています。
また、巻末には「櫛型印使用(戦前・内地)確認表」「在中国局櫛型印使用局確認表」「在外局局名欧和対照表」「外信用抹消印」「在日外国局」などがまとめられ、見やすく使い勝手が良い編集になっています。
参考文献も2ページにわたり紹介されています。
本書はハンディな参考文献として、使い方によっては今でも手軽に使用することができる文献だと思います。
私も第3半の新しい方をもっています。
良い参考文献です。