東京西ノ久保ってどこよ?

新小判切手5厘に「武蔵/東京西ノ久保」の丸一印。

この西ノ久保の消印は多く見られて、自然と集まった単片やカバーの中に気がつけば、何点もありました。

無作為に入手して何点も有るということは、それなりに取扱量が多い局なわけですが、今はあまり聞いたことがない局名で「どこ?」という感じ。
そんなことを疑問に思ったのは、もう20年以上も前のことで、その時に調べてみたら拍子抜けするほどの結果でした。

結論から先に言うと、西ノ久保という町名は今は消滅して無いのですね。
どうりで聞かないわけだ・・・。

下の地図は、昭和12年の1万分の1地形図に理解しやすいように書き加えたもの。

赤枠の地名に西久保という町名が見えます。
わかりやすく目印を加えると、近隣に青で補足した米国大使館があり、この場所は今でも米国大使館になっています。
そして、その向かい側には茶色で書き加えたホテルオークラが、今は建っています。もともと大倉財閥の敷地でした。
右下に、等高線が廻って山になっているのが愛宕山で、今でも残っています。
そして、上方にある紫枠が東京逓信局。

つまり、西ノ久保町=西久保町は、ほぼ今の虎ノ門に相当するわけで、どうりで使用例が多いわけです。
これで納得。

この西久保が町名から消えたのは、意外と最近のできごとで昭和52年のこと。
江戸時代から数百年続いた町名が忘れ去られるのは、早いものです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。必須項目には印がついています *