画像のリーフは、品川局の旧印。
描かれているのは、大井埠頭と鈴ケ森刑場跡ですが、大部分を刑場跡が占めているので、リーフの解説も刑場跡の説明になっています。
江戸時代の江戸には、幾つかの刑場があったのですが、有名なのは千住の小塚原と、品川の鈴ケ森。
小塚原は日光街道および奥州街道、鈴ケ森は東海道に面しており、ともに江戸への入口にあたる場所になります。
この鈴ケ森刑場跡は、今でも一部の区画が残っていて、見学者がそこそこいらっしゃいます。
最寄り駅は京浜急行の大森海岸で、ここからだと徒歩10分もかかりません。
品川駅寄りの隣駅である立会川からだと12〜15分程度でしょうか。
自分としては、少々遠くても立会川で降りて旧東海道を歩くことをオススメいたします。

風景印を拡大すると、こんな感じ。

右端に建っているのが、刑場跡を示す石碑。
この石碑は、もちろん新しいものなので無視してよいのですが、注目はその左に描かれた地面に据え付けられた基礎石のようなもの。
3個並んで描かれていますが、中央は無視しちゃってください。
注目は、解説版が立てられている左右のもの。
右に描かれているのは、平らな円形の石に凹みがありますが、この石は火炙用と伝えられているもので、凹みは罪人を縛りつける柱を立てるものだそうです。
そして、左の四角い平らな石の方は磔用だそうで、凹みは同様に柱を立てるもの。
恐らく、元の位置からは動かされていて、刑場が廃止になった明治4年以降に、今の場所に集められたものだと思います。
刑場を直接的に描いた郵趣マテリアルとして、なかなか貴重な廃止印だと思います。