押し方が悪くて、ちょっとブレた風景印ですが、仕方がありません。
この風景印で嬉しいのは、左上に描かれた小さな客車。
知らない人が見たら、「どこかのミニ鉄道の客車だろう」程度にしか思わないと思いますが、鉄道史的には貴重な図案で、客車は客車でもただ者ではなく、人車の客車。
「人車」は「じんしゃ」と読みますが、人が押して乗客を運ぶ鉄道です。

風景印の鉄道は「松山人車軌道」と言い、大正11年に開業したものの、昭和3年に廃止となってしまったことから、約6年間のみの営業にとどまった極めて短命の鉄道です。
実は、この松山人車軌道の実物車両が大宮の鉄道博物館で保存展示されているのです。
下の写真がそれで、風景印と比較してご覧ください。

中央通路の両側ロングシート(けっして長くはありませんが・・・)で、着席8名(片側4人づつ)に立ち席4名の定員12名でした。
ホントに、よくぞこれを風景印にしてくれたと思います。
鉄道的には、とても貴重な風景印です。
このほか、小田原南町局の風景印にも人車が描かれていますが、こちらはまたの機会にご紹介。