日露戦争

画像は「明治三十七年戦役 紀年郵便絵葉書 第一回発行」6種セットの中からの1枚。
いわゆる「逓信省絵葉書」と呼ばれているものの一つです。
ここで言う「明治三十七年戦役」と言うのは、私達が一般的に言う「日露戦争」。

この絵葉書の題材は「九連城の戦利品」となっており、満州への入口として重要な鴨緑江渡河作戦を成功させ、渡河すると目の前に展開する九連城を、その勢いのまま占領した際の戦利品であることがわかります。

今年のジャペックスの企画の一つが「日露戦争勝利120年」だったので、「日露戦争」を身近に感じた郵趣家もいらしたと思います。
で、僕は「日露戦争」で知ってもらいたいのは、この戦争が太平洋戦争へのターニングポイントであったこと。

日本の軍事体制は、日清戦争までは「日本に侵攻してきた敵を、どのようにして防ぎ、打ち返すのか」が骨格の中心でしたが、日露戦争以後は獲得した権益や土地を守るために、外向きの軍事体制へと大きく転換していったのです。
その最たるものが関東軍であり、参謀本部のコントロールでさえ利かないモンスターになってしまったことは、皆さんもよくご存知だと思います。
その出発点が日露戦争の結果であったわけで、一般的に「勝利」と聞くと嬉しく思ってしまいますが、そう思っているだけではダメなのです。

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