これはマジですか〜

画像は数日前にも扱った『テーマ別風景印大百科』鉄道編からの1ページ。
具体的には72ページになります。

実は本書は2018年に刊行されてから、ほとんど開かないでいました。
理由は簡単で、風景印は他の本で調べるので、特に用が無かったことによります。

で、今回まじまじと見てビックリしたのが、鉄道橋を描いていない風景印が堂々と幾つも掲載されていたこと。
画像の左列3点と前ページ(71)の右下2点の合計5点です。
同一図案ではありませんが、橋の部分は共通図案なので、まとめて5点になっています。

ちょっと見難いと思うので、その中から1点を拡大したのが下になります。

描かれているのは江戸川の花火が主図案になっていますから、川は江戸川で間違い有りませんし、使用局の分布状況を見ても、江戸川で確定できます。
川が江戸川であることがわかれば、描かれた橋がその姿から鉄道橋ではないことが、一目見ればわかります。

ところが、告示の図案説明では「JR総武線市川橋」となっているのです。
この告示も変な話しで、そもそもJR総武線には市川橋なるものは存在しません。
本来ならば告示を見たこの時点で「変な告示だぞ」と、気がつかなければいけないのですが、本書作成段階ではそれが無かったのだと思います。
その結果、ページ上部のコラム欄的な記述(写真の左の記事)で、大きな間違いを犯してしまうハメになってしまいます。

このコラムでは「JR総武線市川橋(右)と、同じ市川橋などを描く市川広小路局の風景印。描かれている橋の形と実際の橋の形が異なっている。」と、書かれてしまいました。
もうここまで来ると、むりくり感満載。

実在する固有のものを図案として描く時、切手と同じく風景印も空想の中で描くことはありません。
もちろん、デザイン上のデフォルメの大小はありますが、四角いものを丸く描くことはあり得ないのです。

では、風景印に描かれたこの橋は何でしょう?
この答えも実に簡単で、地下鉄東西線に乗ると江戸川を渡る時に下流側に見える水道橋なのです。
参考までに、下に写真を貼っておきます。

つまり、この一連の風景印はこの水道橋の下流から上流を見て、水道橋の上に上がる花火を描いたもの。
ですから、鉄道とは全く関係のないものになります。
もし知らない読者が本書を見て、鉄道橋として収集していたとしたら悲劇にほかなりません。

ちなみに、JR総武線の鉄橋名は「江戸川橋梁」です。
告示に出てくる「市川橋」は、「江戸川橋梁」の上流にある道路橋の名前になります。

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