画像は、スウェーデンのヘリコプター郵便のカバー。
ヘリコプター郵便は、日本ではイベント的に行われたのみで定着することが無かったので、馴染みが薄いと思います。
スウェーデンは、本土の周囲に約2万もの島があり、首都ストックホルム近郊だけに限っても約2000を数えます。
これらの島々を結ぶ郵便線路の中心は船ですが、冬季には凍ってしまうため、1947年2月20日からヘリコプターによる商用飛行が始まり、早速、郵便にも使用されるようになりました。
画像は、ストックホルム群島のヴェツェルソからストックホルムへ宛てられたもの。

左下のシールが、運送を担当したヘリコプター会社のもので、会社の消印が押されています。
この抹消印には、上段から「ヘリコプター郵便/ストックホルム群島/会社名」と入れられています。
このカバーは、差立時には切手が貼られていなかったので、ストックホルム局で不足料金扱いの手続きが行われています。
左上に貼られた緑色の紙が不足ラベルであり、20öreが不足していたことを示しています。
この時期のスウェーデンでは、不足ラベルを貼った後に不足分の切手も貼付するシステムだったので、右端に20öreのグスタフ6世切手を貼り消印をしました。
消印を追うと、ストックホルム局には1956年2月28日の18〜19時に到着し、局内処理が終わり不足料金の切手が抹消されたのは、翌3月1日になっています。
ただ一点、気になるところがあります。
左上に差出人がヘリコプター郵便を指定した書込があるのですが、それがペン書きのバツで消されていること。
ここに、ちょっと引っ掛かるのですが・・・。
ヘリコプター郵便で運ばれたのは間違いないのですが、なぜペン書きで逓送指定が消されたのか・・・。