明治、大正時代の鉄道関係の特殊通信日付印は、全部で12種類ありますから、これらの中での入手の難易度の差はもちろんあります。
一般的に古くから「鹿児島線鉄道全通記念」「山陰線鉄道開通記念」「中央線鉄道全通記念」を入手難易度の高い「御三家」と呼び、「旭川釧路間鉄道全通記念」は極めて入手困難な別格的存在としていました。
しかし、この話しが、いつ頃、何を根拠として出てきたのかは不明・・・。
例えば、別格的存在である「旭川釧路間鉄道全通記念」の押印枚数が9894枚なのに対して、御三家にも入っていない「羽越線鉄道全通記念」は、それよりも遥かに少ない4822通しか押されていません。
どうも、古くから伝わる難易度には??が付きます。
一応、そのような流れがあるということを知っていただいて、下の画像を見ていただきたいのですが「鹿児島鉄道全通記念」です。
押印枚数は35999枚で、一応「御三家」と言われている1枚です。
記念絵葉書を使って押印しているので多少見難いのですが、官白による記念押印が認められていなかった時代では、仕方が無いところとも言えます。
本当に極く少ない微々たる枚数の官白が存在するのですが、どう考えても郵政関係者の裏口押印としか考えられません。
中には、逓信省の事務用葉書に押した例もあるくらいですからねぇ・・・。
鉄道郵趣の収集家で、この12種を揃えた方が何人いるか興味深いのです。
地味なマテリアルですから、意外と皆さん気に留めていらっしゃらないようですから。