日本切手を集めていらっしゃる多くの方は、手持ちのカバーの逓送経路を調べるために「郵便線路図」を活用されていると思います。
僕もできる限り、各年度版を集めるようにしています。
これは、1年違うと郵便線路がガラリと変わってしまうことがあるので、解釈の間違いを起こさないためにも必要なことと思います。
「郵便線路図」で何を調べるのかと言うと、第一義的には冒頭で述べたように逓送経路の確認なのですが、線路図をよく見ると、様々な注記があることに気付くと思います。
僕は「郵便線路図」を見た時に、この注記をよく読んで欲しいと思っています。
例えば、下の図の赤線の部分。
これは、明治18年版の千葉県の部分なのですが、そこには「毎日 東京千葉 午前九時卅分午後一時発馬車逓送」と書かれています。
当時の逓送には、徒歩や人車など幾つもの方法がありましたが、ここを読むことにより馬車便であったことがわかるのです。
また、各局の発時間や、郵便交換などが行われる場所なども知ることができますし、人以外の鉄道便や船便の各種情報なども細かく記されています。
郵便線路図を利用するばあい、ついつい線路自体に目が行きがちになりますが、その周囲に所狭しと記されている注記をぜひ読んでください。
郵便史の知識に厚みがつくこと、間違いはありません。