オイ、オイ、なんだよこれ(まじめな校正のススメ)

頼まれて、ある本に資料提供しました。
こういう時には、協力者に氏名を載せる(たまに辞退される人もいます)のが礼儀で、この時もそうした約束でした。
で、昨日送られて来たので早速見たところ・・・

赤線は筆者

あ〜ん。
なんだよ、これ!
「水谷」って誰?
私の友人に、水谷さんはいらっしゃいますが、名前が違います。
オイ、オイ、これってオレのこと??

と、ここまで見たところ、手紙が1枚パラリと。
その一部分だけお見せすると、

赤線は筆者

「お名前がタイプミスで水谷」
そうだよね〜。
執筆者も編集者もゲラ見てないの?

「間違ったまま出版されてしまいました」
ん!
なんか、他人事な書き方。
あなた、編集担当者ですよね?
だったら「間違ったまま出版してしまいました」じゃないの。

「ご不快な思いをさせて」
当然、不快です。
しかも、手紙の内容も含めて極めて不快!!

「重版された場合には、必ず修正させていただきます」
重版で修正?
じゃあ、初版はどうするの?
間違ったまま売っちゃうわけですか!
間違いを知っておきながら販売しちゃうんだ・・・
他のところは大丈夫なんですかねぇ???
普通だったら、正誤表入れるでしょ。

「ご容赦いただきますよう、お願い申し上げます」
自分のミスなのに、極めて一方的な手紙1枚で終りですか?
自分の経験からすると、このばあい「正誤表で対応したいのですが、よろしいでしょうか?」と、先方の意向を伺うのが先です。

そもそも「協力者」というのはもっとも大切な部分で、僕は分野こそ違いますが先輩達から「この部分は絶対に間違いなく、失礼のないように」と教え込まれた部分です。
でないと、友人失います。

それと「正誤表は恥と思え!!」とも教えられましたね。

最近は以前とは異なり、自費出版も含めて手軽に出版できるようになりました。
これから、もし、そうしたことを考えていらっしゃる方がいましたら、校正作業は時間をかけて丁寧にされることをお勧めいたします。

僕が若い頃は手書原稿で、間違えたら原稿用紙を切貼りしながら整えたものです。
もちろん、割付表も色鉛筆と定規の世界。
ですから、活字で組まれたゲラをよく見て校正作業をするわけです。
もちろん活字を組んでくれた職人さんの腕しだいで、間違いの増減があります。

ところが今は、データ渡しなので根本的に作り方が違います。
自分も含めてそうなのですが、あきらかに手作業の頃と比べたら校正作業に手薄感があります。
まぁ、じっくり見なくなったのでしょうね。

それと、急いではいけません。
どうしても、刊行日近くまでダラダラと作業が延びてしまいがちなのですが、そこに落とし穴が・・・。
校正こそ、余裕をもって複数人でしないと。
現役時代は、5〜6人で校正作業をしていましたが、それでも時には見落としが出てしまいます。
達成感を満喫した刊行後に発見、または発見された校正ミスはホントに蒼くなる瞬間で、心がドヨ〜ンとなってしまいます。

正誤表の作製って、ホントつらいんですよ。
なんだか、自分のした仕事がいい加減だった感に襲われて・・・。

ですから、これから出版をお考えの方は、校正作業だけは丁寧にお願いいたします。
それと色校も。
以前に、全く違う発色のカタログがありましたが、色校は印刷工場でしないとダメなんです。
営業の人を通していたらダメで、直接、工場の担当者に実物を見せるとか、カラーチャートの入った写真を見せながらでないと。
もちろん内容の正確さは、それ以前の問題ですが・・・。

オイ、オイ、なんだよこれ(まじめな校正のススメ)」への1件のフィードバック

  1. あらら・・・・

    ちょうど私も今同じような立場にあるので、よ〜くゲラを見直すようにしましょう。

    あとで修正、というのもカッコ悪いですよね。

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