戦時特例

画像は、切手が貼っていないカバーなので、一般的にはつまらないマテリアルとされるもの。
そんなジミな使用例を、少しでも役立てようと郵便史的に整理してみました。

言うまでもなく、昭和20年1月に出された「戦時特例」に基ずく書留使用例。
つまり「書留郵便や価格表記郵便は、切手節約のため料金別納で扱え」ってヤツですね。

消印が鮮明なので、使用されたのは昭和20年8月27日と特定できます。
当時の郵便料金は、基本料金が20グラム毎に10銭で書留料が30銭。そして配達証明料が20銭で合計60銭になりますから、この料金だと確かに切手の節約にはなります。

このカバー、某税務署の差し立てで中身も入っています。
それによると、送られたのは昭和17年に起きた脱税調査についての書類で、最終的に脱税の罰金630円を払えという事と、本書類の送料60銭も払えというような事が書かれています。
もちろん脱税調査の結論も書かれています・・・。

それにしても終戦が8月15日で、戦争が終わって晴れやかな気持ちだったでしょうに、それから間もなくこんな書類が届くとはねぇ・・・。

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