これまでに手持ちの台湾野戦局については、『二代目 郵趣手帖』の2009年7月17日の日記で「第十九台湾郵便局」について紹介したことがありますが、今回は「第十台湾郵便局」。
リーフのデータを見てもわかるとおり、第十台湾郵便局 → 東京 → 東京本所という経路をたどっており、東京は16日ホ便で中継して、本所は同日ト便で配達しています。
差立てから、ちょうど10日で配達です。
ところで第十台湾郵便局ですが、所在地は台南で明治28年10月25日の開設。
この手紙が差し立てられた直後の29年4月1日に、台湾が軍政から民政へと移行したのに伴い、台南一等郵便電信局になっています。
そうした意味で、本使用例は第十台湾郵便局の最後期使用例としての貴重な一例であると言えます。
このような使用例は実態としてあと4ヵ月間ほど続きます。「29年4月1日に、台湾が軍政から民政へと移行した」のは事実ですが、台南局を含む全普通局で使用すべき丸一印が8月1日以前には間に合わなかったようです。評価として「第十台湾郵便局の最後期使用例としての貴重な一例」というより、「野戦局時代としての最末期使用例」の方が適切かと思います。