国内外の競争展にここ10年ほど出品していないハンガリーの消印。
そろそろ大幅リニューアルして、再出品したいと思い始めているところではありますが・・・。
どうなりましょうか。
このカバーは、左上に押されている Okolicsna 局の黄色の消印がミソ。
黄色というのは見難い印色なのですが、希少性ではダントツで、ちょっと自慢できるもの。
消印のタイプはCタイプ。
Cタイプというのは、外形が楕円形をしたグループの総称です。
そして、サブタイプはz3。
サブタイプは、装飾模様で分類されており80程のサブタイプがあります。
つまり、楕円形印に限定しただけでも80種ほどのタイプがあるわけです。
この局は1749年に開局し、Cz3タイプは1818〜1846年の比較的長期間にわたって使用されています。
この消印、普通は黒またはレンガ色の印色で押印されるのですが、どういうわけか画像のカバーのように、極めて稀に黄色で押される時があるのです。
ハンガリーの文献を色々と当っても、まだ類例が少なすぎてよくわかってはいないというのが実態のようで、雑誌に類例の紹介が提示され、データの集積途上のような感じです。
このカバーですが、幸いにも裏面に発信データが書き込まれており、1832年9月17日であることが特定できます。
画像の赤線の部分(赤線は画像上で私が書いたもの)に ” Franko ” と書かれていますが、これは料金前納を示す表示であることから、この手紙は差出人が郵便料金を前払いで完納していることがわかります。