キャスパリーの小判切手

キャスパリー・コレクションと言えば手彫切手。
市田左右一氏による一連の手彫切手関係の著作の他に、啓蒙書『切手の愉しみ』で紹介されているので、キャスパリー日本の部=手彫切手となっているのだと思います。

画像は、そのキャスパリーセールのカタログなのですが、手彫切手の部を通り越して後ろの方を見ると、申し訳程度に小判切手以後の切手が掲載されています。

1958年当時、海外オークションで日本切手と言えば一部の例外を除けば一点物は手彫切手のみで、其の他はコレクションやアキュムレーションで、まとめて売ってなんぼのもの。

キャスパリー小判の部もそれと同じ。
ロット649は旧小判切手272点のコレクションで、未使用、使用済、ペア、ブロックがあり、色調、目打のバラエティ。参考値515ドルに対して130ドルで落札。
ロット653は改色旧小判87点のコレクションで、参考値160ドルのところ落札値は42ドル50セント
ロット654はU小判3種197点のコレクションが、参考値110ドル95セントのところ、僅か32ドルで落札。

当時は1ドル=360円の固定レートでしたから、ロット654のコレクションは11,520円。
東京都の行政職の大卒初任給が9800円の時代です。

単品では、12銭の未使用が2枚で参考値50ドルですが、落札値はたったの6ドル。ということは2,160円なので、1枚あたり1080円になります。
手元に同時期の1959年版『切手商カタログ』があるのですが、それを見ると12銭の未使用は6,000円の評価になっていますから、超格安の落札値です。

また、非常に綺麗な45銭の田型は参考値80ドルに対して65ドルで落札ですから、日本円で23,400円。
これも、今の水準から相対的に考えると非常にお買い得です。

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