多度津局の風景印

画像は、香川県の多度津郵便局の風景印。
印影が細く、綺麗に出ている好ましい押印です。
図案の主題は、多度津駅前にある8620形蒸気機関車の動輪と「四国鉄道発祥之地」のモニュメント。

風景印に罪は無いのですが、僕はどうも「四国鉄道発祥之地」という銘文が好きではありません。
普通の人ならこうした銘文を見ると「ほー。四国で初めて鉄道が走ったのは多度津なんだ」と思いますよねぇ・・・。

多度津に鉄道が来たのは、明治22年5月23日に丸亀〜琴平間の讃岐鉄道という私鉄が開業したときに、途中駅として開設されたのが始まりです。

ですが、それより以前の明治21年10月28日に、愛媛県の松山〜三津間の伊予鉄道が開業しているので、本来はこちらが四国最初の鉄道になります。

多度津駅の「発祥之地」ですが、讃岐鉄道は明治37年に山陽鉄道に合併し、39年には国有化されたのに対して、伊予鉄道は現在まで続く私鉄で、しかも開通当時は軽便鉄道でした。

こうした歴史的背景があって、このモニュメントを設置した当時の国鉄が、
「我々は全国を股にかける国鉄。あちらは単なる弱小一地方私鉄。しかも設立時は簡易な施設でOKだった軽便鉄道だったわけではないか。よって四国最初の鉄道は我々である」
なんて、感じで作ってしまったのではないでしょうか。

どうもスッキリとしない銘文です。

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