『八州の郵便印資料』No 51

『JPC』、『JPC-UWAフィラテリックダイジェスト』の付録であった『八州の郵便印資料』は極めて有益な基本資料として、今でも十二分にその存在価値があり、僕も座右の資料集として使っています。
「八州」というのは、正式には「関八州」のことで、武蔵、相模、下総、上総、安房、上野、下野、常陸の関東八カ国を指します。
つまり、本書は関東の初期郵便印資料集ということ。

本資料集は、単に初期郵便印を集成しただけではなく、郵便線路や郵便局のロケーティングなど、初期郵便に関わる様々な資料・記録が収録されています。
下の画像は、その中からNo51。

本号は「水駅と馬車」ということで、船と馬車を利用した郵便線路が記録されています。

船便と言えば、遠く函館や四日市、神戸などの長距離航路がすぐに思い浮かびますが、それ以上に多かったのが、東京湾沿岸や河川の水運を利用した短距離航路。
馬車便だって「高崎郵便馬車」ばかりが有名になってしまいましたが、当然、他の地域間輸送にも利用されていました。
本号では、なかなか全体像として見ることがない関東地方の水路便、馬車便について、その概要を知ることができます。

現在とは異なり、史料の閲覧や集積に手数が掛かっていた昭和43年当時に、様々な史料を駆使してまとめられた労作です。

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